HOME > 購入前に知っておきたい布団のアレコレ
毎日の生活に、布団は欠かせないアイテムです。グッスリと眠って１日の疲れをとるためには、自分に合った布団を選ぶことが大切です。そこで、ご購入前に知っておきたい布団の知識についてまとめてみました。
| 布団の中わたに使われる素材にはさまざまなのものがありますが、それぞれ長所と短所があります。ここでは代表的なものをご紹介していますので、布団選びに役立ててください。 ・羽毛（ダウン） 水鳥の顔の下、胸からお腹にかけた辺りから採れる産毛のような部分で、軸がなくとてもやわらかです。水鳥の体温調節のための肌着の役割をしています。吸湿・放湿性が抜群で、保温性にも優れています。 掛け布団には最適な素材ですが、柔らかいためへこみやすく、へこむと保温性が低下するため、敷き布団には向いていません。 |
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・羽根（フェザー） ダウン以外の羽で、中心に軸があります。羽根布団には、小さな羽根のスモールフェザーが主に使われます。吸湿性、放湿性、通気性に優れています。 掛け布団には最適な素材ですが、柔らかいためへこみやすく、へこむと保温性が低下するため敷き布団には向いていません。 |
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| ・綿 吸湿性・保温性に優れていますが、湿気が溜まりやすいので、定期的に布団を干す必要があります。打ち直すと弾力性が戻るため、定期的にメンテナンスを施すことで、長く使用することができます。 重いので敷き布団に向いています。 ・羊毛 吸湿性・放湿性に優れ、ムレにくいという特長を持っていますが、羽毛に比べると柔軟性がなく、ふわふわ感に欠けます。 弾力性に富むため、敷き布団には最適です。 |
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| ・化学繊維 防ダニ加工が施してあったり、丸洗いができるなどさまざまな素材があります。いずれも清潔な状態が保ちやすく、自然繊維と比べて価格が安いというメリットがあります。 また、保温性が良好なものも増えてきて、人気上昇中です。 |
| 羽毛布団と羽根布団は、ダウンとフェザーを混合した中わたを使用しています。ダウンの比率が50％以上のものを羽毛布団、フェザーが50％以上のものを羽根布団と呼んでいます。 一般に、ダウンは、フェザーに比べて一羽の鳥から取れる量が少なく、また、需要も高いので、価格も高くなります。 ・羽毛布団 ダウンは軽く、空気をたくさん含むことができるのですが、水鳥一羽からごくわずかしか採れないため、非常に高価です。一般に、大きいダウンの方がたくさん空気を含むことができるので、保温性が高くなります。 ・羽根布団 フェザーはダウンと比べると、やや保温性に劣りますが、弾力性・通気性に優れるという特長を持っています。 フェザーにはスモールフェザーとラージフェザーがありますが、スモールフェザーの方が羽根の軸が短くて弾力性に富むため、布団に向いています。 ・水鳥の種類 羽毛布団・羽根布団に使用される羽毛・羽根は、ダック(アヒル)、またはグース(ガチョウ)から採ります。 ダックとグースは良く似ていますが、ダックはマガモを家畜化したもので、グースはガンを家畜化したものです。ダックもグースも人間によって作られた、自然界にはもともと存在しない生き物で、飼育を容易にするため、飛ぶことができません。 一般に、グースの方が体が大きいため、良質な（羽毛自体が大きく保温性に富み、丈夫で長持ちする）ダウンが採れます。 |
 ※左がダック(アヒル)、右がグース(ガチョウ）です。ガチョウは頭にコブがあります。 |
| ・ダックダウン グースダウンと比べると、ダウンの１つひとつが小さく、保温性・耐久性はグースダウンほど高くありませんが、安価で手ごろな素材です。 ・グースダウン ダックダウンと比べるとダウンが大きく、保温性・耐久性などあらゆる面で優れていますが、近年価格が高騰してきています。 ※マザーグースダウン 食用ではなく、卵を産むことを目的に長期間（通常４年間）大切に飼育されるマザーグースから採取するダウンです。 マザーグースは普通のグースと比べると体が大きく、その分羽枝も長く、ボリュームのある羽毛を採取することができます。ふとんに加工した場合、空気を多く含むため少量でもあたたかく、羽枝が長いので羽毛の磨耗が少なく長持ちする、といった特長があります。 マザーグースダウンは、高級羽毛布団に使用されます。 ※ハンドピックダウン 通常のグース（食用）からダウンを採取する場合、機械を使用（マシーンピック）しますが、マザーグースは産むことを目的に飼育されているため（屠殺できないので）、その羽毛は人の手で摘み取られます。 ハンドピッキングでは、十分に成熟して簡単に抜ける羽毛のみを採取するため、マシーンピックの羽毛と比べてみると傷みが少なく、より高い品質のものが採取できます。 羽毛自体の耐久性、保温性が優れているという特長があります。 |
| ・タタキキルト 袋状に縫った側生地に中わたを入れて、上下を縫い付ける簡単なキルティングです。縫いつけた部分には中わたがないので、熱が逃げやすくなるため、肌掛け布団以外では使われることが少なくなってきました。 縫製に手間がかからないので、コストを抑えられるというメリットがあります。 ・立体キルト キルト部分にマチを作ることで、中わたが１つひとつ独立した個室に納まります。この立体キルト加工は、羽毛布団に適していて、羽毛布団自体の高さを確保することができます。また、羽毛が全面に行き渡り、熱が逃げるのを防ぐ働きもあります。 |
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| 羽毛布団・羽根布団の原料となる羽毛は100％輸入に頼っていますが、羽毛の洗浄、縫製・加工といった工程については、国内で行っているものと国外で行っているものがあります。 仕上がった羽毛布団の臭いや縫製の丁寧さといった品質の面では、やはり国産に軍配が上がります。 |
| かさ高性とは、羽毛の膨らむ力を専用の測定機で測った指標で、グレードが高くなるほど、少ない重量でもよく膨み、軽くて暖かく、吸湿・発散性に優れています。 日本羽毛製品協同組合では、羽毛の客観的な品質を証明する基準として、4つのラベル（ニューゴールド、エクセルゴールド、ロイヤルゴールド、プレミアムゴールド）を定めています。 |
 ※左からニューゴールド、エクセルゴールド、ロイヤルゴールド、プレミアムゴールド |
| 一般的に、寒暖差の激しい地域で採れる羽毛は、高品質と言われています。気候が厳しい環境で育つ水鳥は、生き抜くために保温性に優れた羽毛を育むからです。 特に有名な羽毛の産地としては、以下の国が上げられます。 ・ハンガリー ハンガリーには、ダウンボールの大きな良質の羽毛を持つ水鳥を育てることができる環境があります。ハンガリー産のダウンボールは、耐久性・弾力性に優れ、また、かさ高、保温性、風合いも最高と言われています。 羽毛の生産量は、ヨーロッパの中でも最大です。 ・ポーランド 厳寒の地ポーランドも、ハンガリーと並んで良質の羽毛生産地です。そのダウンボールは、耐久性・弾力性に優れ、かさ高、保温性、風合いもハンガリー産に引けを取らない最高品質と言われています。 ・カナダ カナダでも良質の羽毛を生産しています。冬季は厳寒の地になり、その厳しい環境の中で育つ水鳥の羽毛は、かさ高、保温性に優れています。ヨーロッパと並んで有名な羽毛の産地です。 ・ウクライナ 寒さの厳しいウクライナも有名な羽毛の産地です。冬になるとマイナス20度にも達する厳寒の環境から、保温性に飛んだ良質の羽毛が生まれます。 ・フランス フランスのピレネー地方はスペインとの国境に重なる山岳地帯に位置し、夏でも気温が低く、年間の温度差が大きいのが特徴です。この厳しい自然環境で育った水鳥の羽根には、すぐれた保温性が備わっています。 |
| 羽毛布団や羽根布団は、湿気を素早く吸収・発散する自然の調整機能が備わっています。 一人暮らしの方はもちろん、湿気の溜まりやすいマンションや布団の干せないマンションにお住まいの方、赤ちゃんを清潔な布団で寝かせてあげたいとお考えの方には、とくにおすすめです。 |
