エコロジーな家具

家具を購入しようと思うとき、どんな作りのものがよいか迷うことはないでしょうか。

 

インテリア性を考えれば、色調やデザインなどが重要な選定ポイントとなると思います。

 

しかし、それだけで決めてはいけません。

 

環境問題が叫ばれる昨今、環境意識を持って、できるだけ長く使うことを考え、エコロジーな家具を選ぶことが求められています。

 

そこで今回は、家具が人々の暮らしに与える影響やエコロジーな素材を使用した家具について解説してみたいと思います。

 

家具の材料が環境に与える影響とは?

はじめに、家具に求められる環境対策とは何かを説明していきましょう。

Aki
Aki
家具を買い換えるサイクルは人それぞれに異なりますが、一般的には10年程度と言われています。
これは、家具に使用されることの多いパーティクルボードやプリント合板、突板合板などが10年ほどで傷みが出やすいというのが理由の大きな理由の1つです。
Nijiro
Nijiro

パーティクルボードは木材チップを熱と接着剤によって固めて作られた素材で、通常はリサイクルができません。

 

また、表面に木目などを印刷して作るプリント合板も、リサイクルするのは難しい材料です。

Aki
Aki
こうしたリサイクルができない材料のほとんどは、廃棄されて焼却処分となります。その際、二酸化炭素やダイオキシンなどが発生し、環境破壊につながっていくのです。
二酸化炭素の問題は、地球の温暖化を招く原因として随分以前から注目されています。
ダイオキシンは食品や自然界にも微量に存在しているもので、通常の暮らしの中で摂取するような僅かな量では健康被害が出ることはないと言われています。
Nijiro
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ただし、焼却によって大量発生させることは決して好ましいことではありません。

 

環境への影響を考えれば、家具を買い換えるならリサイクルしやすいものが望ましいでしょう。

 

または、できるだけ長く使用できる質の良い材料や塗料を使用した家具を選ぶことが好ましいといえます。

 

 

人体にも環境にも優しい無垢材

人体にも環境にもやさしい材料に無垢材があります。無垢材とは、天然の木材をそのまま使用したものです。

Aki
Aki
人工的に再現されたプリント合板とは違い、自然の木目はこの世に一つしかありません。
たとえ同じ樹木から切り出された木材であっても、わずかに位置がずれるだけで年輪の幅や色合いなどが微妙に違ってきます。
同じものが存在しないことが、無垢材の魅力の1つと言っていいでしょう。
また、無垢材は木の種類によって色や手触り、硬さに違いがあり、自然の樹木ならではの風合いを楽しむこともできます。
Nijiro
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そして、無垢材の最大のメリットはリサイクルしやすいという点にあります。

 

 

では、主な無垢材にはどのようなものがあるか見ていきましょう。

 

ウォールナット

Aki
Aki
深みのあるブラウンが印象的なウォールナットは、クルミの木から切り出された無垢材です。
ウォールナットは、チークやマホガニーとともに世界三大銘木に上げられています。
こちらは、ウォールナット無垢材を使用したダイニングテーブル。ナチュラル感があって、ダイニングに置けば一際存在感を放ちます。
harry
harry

ウォールナット無垢材のテーブル

 

木肌が滑らかで、木目の美しさも魅力の1つ。高級感もあって、インテリア性がワンランクアップします。

 

オーク

Aki
Aki
オークは明るい色みの木材で、ナラ材とも呼ばれています。オークはじっくり年月をかけて成長する樹木で、年輪が細かく、硬さと重量感が特徴的です。

オーク無垢材テーブル

 

オークはキズが付きにくいので、家具だけでなく、フローリング材としてもよく使われますね。
Nijiro
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また、耐水性にも優れているので、飲み物や水をこぼしてしまってもシミになりにくく、変質しにくいという特性も持っています。

Aki
Aki
無垢材はキズが付きやすく、水に弱く、湿度によって伸縮しやすいと思われがちですが、オークはそうしたマイナスイメージを覆す優れた木材と言えますね。

 

ラバーウッド

Aki
Aki
アイボリーのような色みのラバーウッドは、ラバーの名でわかるようにゴムの木から切り出されます。

 

ゴムの木から採れる樹液は天然ゴムの原料となりますが、樹液を採取した後、樹液が出なくなった木は、家具などの材料(ラバーウッド)として使われます。

 

やさしい雰囲気の木目で、手触りも滑らか、軽くて加工に向いています。

ダイニングテーブルでは、天板にはウォールナットやオーク材などを使って、脚の部分にラバーウッドを採用しているものも多く見られますね。
Nijiro
Nijiro

ラバーウッドの脚

 

ラバーウッドの主な原産地は南米や東南アジア。暑い地域に生息しているため成長が早く、市場に出てくる量も安定しています。

 

安定した供給が可能なことから、非常にエコな木材と言えます。

 

パイン

Aki
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カントリー調や北欧系の家具の材料として馴染みのあるパインは、北米を中心に生息する樹木です。
パインは松の木のことですが、日本の松の印象とは異なり、オフホワイトに近い明るい色みをしています。
Nijiro
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パインは油分が多いため、経年変化によって艶っぽい色合いに変化していきます。

harry
harry
こちらはオールパイン材で作られた北欧風デザインのベッドです。

パイン材で作られたベッド

 

節の部分が素朴でナチュラルな印象、天然木ならではの温かさが感じられます。

Aki
Aki
パインには針葉樹特有の香りがありますが、その香りに癒し効果があるとも言われていますよ。

 

ここでご紹介した以外にもブナやアッシュ、カバなどさまざまな無垢材が家具に使用されています。

 

 

注目される再生木材

環境にやさしい材料といえば、再生材料もその1つです。

Aki
Aki
再生材料とは再生木材、合成木材とも呼ばれるもので、木粉に廃プラスチックなどの樹脂を混ぜ合わせて形成された材料のことを言います。
天然木をそのまま使用した無垢材に比べると耐久性が高いのが特徴で、公園のベンチやウッドデッキ、防護壁などによく使用されています。
Nijiro
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再生材ベンチ

 

再生材ウッドデッキ

 

腐食しにくいという特性も持っているため、屋外での使用に適しています。

Aki
Aki
再生材料に使用される木粉とは、1粒が1mm程度のものを指します。
チップは5mm以上、おが粉と呼ばれるものは1〜5mm程度ですから、いかに細かいかわかるのではないでしょうか。
木粉になる樹木の種類は、ヒノキやスギなどさまざまな種類があります。
再生材料で使用されるのは、解体で出た木材や建築材料の製造過程で出た木粉が主です。
Nijiro
Nijiro

 

つまり、再生材料そのものがすでにリサイクルされたもので、環境に配慮していることがわかるでしょう。

harry
harry
最近では、ダイニングテーブルやテレビ台などに使用されるケースも見られるようになってきましたが、まだまだ少ないのが実情です。
今後に注目したいところです。

 

 

自然塗料の効果と種類?

自然塗料とは、主な材料に天然成分を使用している塗料のことです。

Aki
Aki
家具などの木材の表面には、石油系の合成樹脂塗料がよく使用されています。
耐久性を考えれば、合成樹脂塗料の方が確かに保護力は高いといえるでしょう。
その反面、木が持つ本来の感触を損ねてしまうのがデメリットです。
Nijiro
Nijiro

 

無垢材の家具を選ぶなら、塗料も自然塗料を使う方がそのままの風合いを味わえます。

 

しかし、自然塗料の良さはそれだけにとどまりません。

 

シックハウス症候群などの心配から、人工的な塗料より自然塗料に注目する人も増えてきています。

 

 

では、自然塗料の主な種類を上げていきましょう。

Aki
Aki
自然塗料は「オイル系」「セラックワニス系」「油ワニス系」「ワックス系」「オイルワックス系」の5種類に分けることができます。

オイル系は、ヒマワリ油や亜麻仁油といった植物油が主な原料です。

 

セラックワニス系はややユニークな原料で、ラックカイガラムシという昆虫の分泌物からできています。

 

油ワニス系は、松油やコパールといった樹木から取れる天然樹脂が原材料です。樹脂を植物油で溶かして作っています。

 

そして、ワックス系は蝋を成分とした塗料で、主に使われているのは蜜蝋やカルナバ蝋です。

 

最後にオイルワックス系ですが、これは名前の通り、オイルとワックスを合わせたものをそのように呼んでいます。

 

 

まとめ

以上、エコロジーな家具について説明してきました。

Aki
Aki
家具に使用される天然素材にはさまざまなものがあります。
人体にも環境にもやさしいという条件で選ぶだけではなく、材料について知識を深めていくと、さらに愛着が湧くのではないでしょうか。

無垢材や塗料の組み合わせによっても、家具の表情には違いが出ます。

 

長く愛用できる質の良い家具を選び、快適な暮らしを始めてみましょう。

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